私たちの共通目標としての分かち合い

STWR
2014年12月4日

分かち合いへの呼びかけがすでに活動的市民と革新的な組織の根本的(多くの場合認識されていないにしても)要求であることを考慮すると、私たち皆をひとつにするこの共通理念を受け入れるべきであるということは理にかなっています。

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エグゼクティブ・サマリー (概要) 

全世界で、政府がより公正で持続可能な未来への希望を与えることに失敗する傍ら、何百万というキャンペーナーと活動家は世界危機の激化を何もせずただ観覧していることを拒否します。気候の混乱、希少資源をめぐる激化する紛争、貧困層と同様、富裕国における貧困化と社会的排除、更なる世界的金融崩壊の迫り来る展望など、いくつかの不吉な前兆がみられます。いわゆる惑星規模の緊急事態をものともせず、世界の指導者たちに挑み、重大な社会・環境問題への取り組みの努力の周りの市民のこれほど広範的、持続的な動員はこれまでありませんでした。 世界的「ムーブメントの動き」は高まっており、それは、私たちが直面する多数の危機は、大々的改革を必要とする時代遅れの経済システムが根本的原因であるという認識に駆動されています。

しかし、断続する歴史的動向を覆すための、大規模な共同活動の必要性への高まる認識にもかかわらず、世界の相互関係する問題の原因の全てへとりかかるために十分な努力がなされていないのは明らかです。市民社会組織、草の根活動家、そして積極的に関与する市民の集合的活動から成る、真に統一した革新的ムーブメントが私たちには今だ欠けています。劇的な変革に必要な方向性について世界人口の絶対大多数の間で合意を可能にする共通の旗のもと、様々な革新的目標の統合が緊急に必要とされています。革新的コミュニティ内での多くの個人及び団体双方が認識し宣言するように、これは世界の最新と再建をもたらすための最大の希望なのです。

このレポートはどのように分かち合いへの要求が世界人民のこの拡大する世界的ムーブメントの形成の中心核となるかを明示します。企業の貪欲と利益より人間のニーズと生態系保護を政府が優先するよう更に多くの人々が声をあげ始めていると同時に、分かち合いへの呼びかけは一貫して、より良い世界のための市民社会の要求のハートです。事実、分かち合いの原理は多くの場合、大凡全分野での試みにおいて進歩的改革への取り組みの中心核です。しかしこの共通の関心は世界の問題への解決策としての分かち合いの多様性、共通性、そして広い適応性への認識なくして一般的に、暗黙のうちに理解され表現されています。

説明上の目的として、このレポートの「マッピング」セクションで強調される多くの目標、イニシアチブ、そしてムーブメントは、五つの主なカテゴリーに従い広くグループ分けされています:社会正義、環境管理、世界平和、参加型民主主義、そして多数の問題のためのムーブメント。これらの包括的主題に当てはまる、概説されたそれぞれの目標の中で、その全てでなくとも殆どがどのように国内的又は国際的のどちらかで富、権力又は資源のより公平な分かち合いへの要求の上に基本的に成り立っているかを理解することは難しことではありません。このため変革のために結束した呼びかけのもと、世界の平和、正義、そして環境ムーブメントを繋げることを助長する可能性を秘めた共通の目標として、分かち合いはより広く促進されるべきであると私たちは論議するのです。

分かち合いへの呼びかけはどのように表現されるか

富と収入の不平等がますます人口の1%(あるいは事実、0.001%)の利益となりどうしようもない状況に陥っている時、社会・経済正義があり得ないと同時に、多くの意味で社会のより広大な分かち合いの必要性は積年であり、歴然としています。 明白ではないにしても殆どの場合完全に、社会全体を通しての富と権力の公平な分かち合いの必要性のまわりに組み立てられた、増加する極度の不平等への取り組みの必要性についておおよそ絶え間ない目立った議論が現在行われています。

同時に、新たな発展パラダイム、あるいは経済的代替への提唱は分かち合いの観点からますます打ち立てられ議論されています。これは、多くの政策アナリストと市民社会組織(CSOs; civil society organisations) が制約された世界で「正当な分け前」- 言い方を変えると、この惑星の環境的限界を超えることなく地球資源を分かち合う平等な権利を万人が持つこと - を要求するところの気候変動と持続可能な発展の国際討論において最もはっきりしています。 更に、クリスチャン・エイド、オックスファム・インターナショナル及びフレンズ・オブ・アースを含んだ主な市民社会組織のいくつかは、組織的戦略と目標の一部として明らかに分かち合いの原理を取り入れ、不正な世界を変えるために権力と資源をどう分かち合うかということにおいて劇的な変革を呼びかけています。

「コモンズ」の最新された概念もまた、地球の共有資源を共同で守ることの必要性の観点から、持続不可能な成長から不平等の高まりまで、私たちの時代の最も緊急な課題の全てを明言する学者や活動家の有名なグローバル・ムーブメントにもまた早くもなっています。 より地域的及び実際的レベルでは、ギフト経済と共同コミュニティ・プロジェクトを通し且つオンラインプラットフォームの利用及び分かち合い指向の事業モデルを通じ、日常生活で更に分かち合うよう人々を力づける、盛んな「分かち合いの経済」のムーブメントもあります。

しかしながら他の殆どの例においては、分かち合いへの基本的要求はそれとなく話し合われるか、或いは変革への大衆の呼びかけの中で偶然に促進されています。例をあげると、世界中の何百万という人々が民主主義と自由のために、退廃した政府に反対して人々先導の蜂起を始め、コミュニティと職場内の新たな民主主義活動に活発に参加している人々までが多くの形で奮闘しています。しかし、参加型民主主義についてこのレポートのセクションで更に概要されるように、政治力と財源のより公平な分かち合いなくしては、民主主義の真の形態、そして万人のための基本的人権の確保はあり得ません。

同じように分かち合いの原理は、それが軍事支出の公衆の必需品への向け直しであろうと、または協力的国際協定を通しての希少資源の奪い合いの終止であろうと、平和的共存のための多くのキャンペーンとイニシアチブの根底にあります。歴史的、常識的双方の観点から、資源をめぐる競争は紛争の原因となります - そして容易に分かち合えるものを所有しようとするために、全ての国が対抗し合うところの経済パラダイムの永続にはなんの意味もありません。

それにもかかわらず、不安や剥奪のないより公正で平和な世界を心に描く全ての人の根本的な理念としての分かち合いへの基本的必要性は、殆どの場合において認識されていません。これは、アラブの春のデモンストレーションやオキュパイ運動を含む、近年迅速に出現した大衆抗議デモもまたとりわけ途方もない拡張する社会的・経済的分裂への反応において、全社会を通してのより大きな経済の分かち合いへの暗黙の呼びかけによって常に連結しているという事実にもかかわらずです。

なぜ分かち合いを提唱するのか

分かち合いへの呼びかけがすでに革新的な個人と組織の多種多様な集まりの根本的(多くの場合その認識がないにしても)要求であることを考慮すると、私たちがこの共通理念を受け入れ、自分たちの取り組みと活動の中で分かち合いをより明白に提唱すべき多くの理由があります。とりわけ、共通の主題と展望のもと全く異種のキャンペーン・グループ、活動家及び社会運動を連結する可能性を分かち合いへの呼びかけは握っています。そのような呼びかけはグローバル市民社会においての結束を象徴し、私たちは皆最終的に同じ目的のために戦っているのだということを自分たちに認識させる助けになるかもしれない、包括的な結集のプラットフォームを提供できます。 既存のフォーカスや運動優先事項のどれをも断念する必要なくして、個別の孤立した部門及び単一争点のプラットフォームを超える道をそれはまた提供します。

分かち合いへの呼びかけはまた、大きな変革の運動イニシアチブと活動においての公衆のはるかに幅広い層の人々をもまた引き込むことができます。専門的複雑さのために、多くの人々は政治的問題から切り離されていると感じ、あるいは直面する課題の膨大さに圧倒され、行動を起こすには準備不足であると感じています。しかし万人が分かち合いの人間的価値を理解し、そして政治的環境でこの普遍的原理を支持することによって、資源のより公平で持続可能な分配に完全に基づいた経済学への、全く新たなアプローチへの道を私たちは指し示すことができます。このようにして分かち合いの原理は、重大なグローバル問題への広く行き渡った公衆の参加を引き起こす助力となり得る、貴重なアドボカシー及び教育上の道具を象徴します。

加えて、分かち合いの原理導入の政府への要求は、国内及び国際的双方で現在の経済的、政治的取り決めに急進的な影響を持ち得ます。グローバル・ノースとサウス双方で政策結果を支配し続ける、経済状態への新自由主義的アプローチの影響を私たちが考察する時それは明らかであり、そしてそれは多くの場合、平等主義的価値観と長い歴史のある人権の実現に基づいた経済的アプローチの対極です。全ての政府が優先事項を徹底的に再調整する必要のあるますます不平等及び持続不可能な世界で、分かち合いへの呼びかけは社会の全レベルでの政策立案を導くための正義、民主主義及び環境管理の必要性を具体化します。

最終的に、富、権力及び資源のより公平な分かち合いへの集合的要求のみが、共通の目標の中で恐らく世界市民を結束するのです。異なる国々の個人と組織がより具体的方法で彼らの取り組み(すでに進行中のプロセス)を協調させなければ、「業務平常通り」を維持する既得権益と凝り固まった構造を克服することは不可能にとどまるかもしれません。社会、経済及び生態学的な崩壊の最終的見通しに直面する一方、社会を改革し、21世紀の最終的見通しへ取り組むための基本的ガイドとして、分かち合いの原理を支持する広範囲に渡るグローバル運動を確立することのこれ以上の緊急性はありません。最終的に、世界全体の必要に応じた経済改革を促すためのより大きな希望を、これは象徴するかもしれません。

推薦事項

このレポートは、分かち合いのグローバル・ムーブメントがすでにどのように存在するのかを明示しようと努めています - それがたとえその集合的な実体、または目的をまだ確言していないとしてもです。共通点のない、そして今のところまとまりのない形態にもかかわらず、私たちの共通目標として分かち合いを促進する正当性に納得がいくのなら、私たちは皆同じ価値観と幅広い関心を保持するこの振興ムーブメントの一部なのです。下記の推薦事項は、私たちがどのようしてこの認識の上に築き、分かち合いの結束的、包括的な世界的ムーブメントをより強化し拡大する役割を担うことができるかを概要します。

1. アドボカシーと運動活動に分かち合いのメッセージを融合させる

世界中で分かち合いの多種多様な形態を拡大することの必要性への認識に基づき、私たちが取り組んでいる問題の関係において、分かち合いが私たち個人にとってなにを意味するのか探求することは重要です。それが適切である時にはいつでも、キャンペーンへの取り組みと積極行動主義へ分かち合いのメッセージを融合させることを可能にするでしょう。それゆえ、正義、持続可能性、平和及び民主主義の観点からの社会において、より大きな分かち合いへの必要性のまわりに大衆的、説得力のある骨組みを皆が形成する手助けができます。 レポートに概要される4つの重要な課題に関係して取り入れられ、創造的に試行されることが可能な、貴重な「ミーム」としてもまた機能を果たす分かち合いの観点からの、様々な革新的試みをどう組み立てるかのアイデアの例についてはレポートの詳細をご覧ください。

2. 分かち合いの集合的プラットフォームへの動員

協力的プロセスを通して効果的な人々のムーブメントを形成することは、議論の余地があるにしても市民社会運動の聖杯であり、それは実際大規模で達成することは極端に難しいのです。しかし不平等、グローバル紛争及び環境破壊の危機がかつてないほどより現実的で緊急を要すると同時に、お互いに異なり繋がりのないまま残るかもしれないいくつかのキャンペーンの課題をまとめる、分かち合いのための集合的プラットフォームでの劇的な変革のために、個人と団体が動員するという素晴らしいスコープがあります。レポート全文は、社会運動、キャンペーン・グループ及び活動家がどのように分かち合いのそのような共通理念の創造において、彼らの取り組みを融合させることができるのかといういくつかの例を概要しています。

3. STWRの分かち合いへの世界的呼びかけを奨励し署名する

もし分かち合いの原理が社会正義、環境管理及び参加型民主主義、あるいは平和的共存のためのどのような計画にも不可欠であると理解されることを前提とするなら、疑いなく、公開討論においての劇的な推移が必要です。共通の目標として分かち合いを受け入れる市民のグローバル・ムーブメントを活性化する必要があるともしあなたが同意するなら、下記のキャンペーンの声明に署名し奨励してください。世界的呼びかけに参加することによって、どの個人も組織もこの振興的主題とビジョンの発展を促し、経済と政治の観点から分かち合いの重要さについての公衆の認識と、より幅広い討論を刺激するよう促進できるのです。

声明への署名は下記をクリック:www.sharing.org/global-call